プロジェクトマネージャー

IPとコラボするときに考慮すること(言える範囲で)

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東京スタジオでプロジェクトマネージャーをやっているゼットと申します。

ワンプラでは、自社で開発するタイトルで他社保有のIPを扱わせていただいてますが、アニメやマンガのIPとコラボすることも多いです。
全て同じ座組みで実施しているわけではないのですが、実施までの流れと考慮していることのほんの一部をご紹介します。(IPコラボについての話で、ゲーム間コラボとは話が異なりますので、ご注意ください。)

この記事は、自社タイトルでコラボをやってみたいけど何を踏まえたらいいのか全くわからんという方やゲームビジネスのスケールさせる方法の一つとして興味がある方に読んでいただき、参考にしていただけるとうれしいです。

まずはコラボするIPの選定

選定するにあたって、当然いろんな要素があります。知名度がある方が、新しいユーザーの獲得に繋がりやすいというところはもちろんですが、あくまで、遊んでくれているユーザーが喜びそう、ゲームの世界観と合っていそうというところは必須ですね。

ビジネス条件を決める

もちろんビジネスなので、版元様とコラボ実施にあたっての条件を詰めないといけません。
その際に必ず、MG, RS率, ロイヤリティをすり合わせます。

MGとは?

ミニマムギャランティの略称で、版元に支払う最低保証使用料のことです。

RS率とは?

レベニューシェアの比率です。イベント期間中に限り登場するコラボキャラクターが含まれるガチャ経由の売上などを対象として、版元様とすり合わせます。

ロイヤリティとは?

売上に応じて一定の金額を版元様に支払います。コラボ実施を提案する際に、ロイヤリティの計算式を提示して、版元様とすり合わせます。ワンプラが版元様に提示する計算式は、今回はヒミツということで。

他に事前に考慮しておくべき費用は?

運営上必要となる費用は全て考慮しないといけないですが、コラボ時に発生したり、増えてしまいがちな費用があります。コラボ実施を決める際に参考してしてください。

キャラクターボイス費用

ワンプラでは協業タイトル含め、海外で配信しているタイトルがいくつかあり、日本国内で使用したものを海外で使用する場合の費用も考慮します。使用するにあたっての費用は様々です。文字数や演じられている声優さんによって変わったりします。

製作費

社内外での製作費です。ここはコラボに関わらず、運営をしていく上では当然かかりますが、コラボ実施にあたっていつも以上にイベントを開催する場合は、その分が乗っかってくるので、どのくらいの規模でコラボイベントをやりたいかに依存します。

広告宣伝費

デジタル広告を配信したり、YouTubeなどでの生放送をしたり、特設キャンペーンサイトを走らせるなど様々なことをして新規ユーザー獲得や既存ユーザーの盛り上げをするので増えがちです。ワンプラでは、過去のコラボ時には、海外でラッピングバスを走らせたり、テレビCMで告知したこともありました。

コラボ時に提供をしてもらわないといけないものは?

オリジナルでシナリオやテキストを作成したり、キャラの登場の許諾を得たりする必要があります。当然、いろんなクリエイティブも作成して、ユーザーに魅力的に情報を届けないといけません。

どんなクリエイティブがいいか?みたいな話は、他の得意なメンバーに譲るとして、コラボ実施にあたって、版元様と条件の決定、契約締結ができたら、作品の素材だけでなく、もらっておかないといけないものがあります。それらを、ゲーム内テキストやクリエイティブに反映して、版元様に監修してもらいます。

コラボさせていただく作品の地域別のタイトルロゴ

作品によっては地域別でロゴの表記、言語が異なります、日本以外の地域でもコラボする場合は、漏れなくもらうように注意しましょう。後から海外版ロゴの存在が発覚すると、デザイナーさんに差し替えというお手間を取らせてしまいます。。

コピーライト表記

作品をお借りする立場なので、メインビジュアルや広告クリエイティブなどゲーム外に露出する画像には必ず記載しないといけません。こちらも海外版では英語表記が存在することがほとんどなので、漏れなくもらいましょう。

用語集

登場キャラの一人称や、口調、コラボ作品独自の固有名詞などを確認するために、必ず版元様からもらっています。それを確認した上で、シナリオの作成、各リージョンごとの適切な翻訳をしていく必要があります。

コラボが終わったら

コラボイベントが大盛況で終わったあとは、実際のロイヤリティの報告書を作成して、版元様に提出します。いろんな地域で実施している場合、各地の通貨の為替レートを反映させて金額を算出する等、注意が必要です。報告書を受けて、版元様から請求書を受け取り、対応するケースが多いです。その点は、事前に社内の経理部門などと調整しておきましょう。

おわりに

今回は大枠だけ書きましたが、これからコラボをやってみようという方に少しでも参考になると幸いです。実際の現場におけるIPの選定基準や具体的な条件の作り方、マーケティング側でのコラボ時の具体的な集客方法とかもどこかで話せるといいなとは思いますが、自社ノウハウのところなので、ご興味がある方は、ワンプラの一員になっていただいたその時にでも。。

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