今回のエンジニアブログを担当する村田です。
先日、東京の渋谷で行われた「LEGO®ではじめるスクラム入門」に参加しましたので、その内容をレポートします。
1.「LEGO®ではじめるスクラム入門」とは
ワイクル株式会社が提供しているLEGO®を使ってスクラムを学ぶワークショップです。
スクラムのプロセスを誰もが知るあのLEGO®ブロックを使った街づくりの中で体験します。
最初の1時間の座学では、スクラムの背景を学ぶこともできます。
当日のタイムスケジュールはこのような感じでした。
時間 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
1時間 | スクラム入門 | スクラムの思想を理解する |
3時間 | LEGO®を使ったスクラムシミュレーション | ゲームを通してスクラムを体験する |
残り | ふりかえり、質疑応答 | 疑問を解消する |
2. スクラム入門
スクラムとは?
スクラムガイド™に
と定義されています。
複雑さには2つの複雑さがあり、
英語の「Complicated」「Complex」に相当すると教えていただきました。
Complicated | 全体を部分に分割できる複雑さ |
---|---|
Complex | 全体を部分には分割できない複雑さ |
アジャイル開発は「Complex」なものを解決するのに適しているとのことです。
いくつかゲームを行い、ゲームを通して体感することもありました。
◆自己組織化ゲーム◆
これはスクラムの特徴の中の「自己組織化」を体感するゲームです。
手順の決まっていないことは「誰かに命令される」よりも「自分たちで考える」方がうまくできるのでは?を検証します。
最初に
リーダーとだけ話し合いながら誕生日の月順(日付は関係なし)で一列に並ぶ
※他の方と話すのはNGです。話して良いのはリーダーとだけ。
次に
みなさんで話し合いながら誕生日の日付順(月は関係なし)で一列に並ぶ
どちらが早いか!?
リーダーが指示した方が混乱もなく早いのでは?と思いましたが、、、
みんなで話し合いながら並んだ方が圧倒的に早かったです。
いたるところで「私、○○日です!」「何日ですか?」と
一気に活気があふれ、あっという間に並び終わった印象です。
まさにみんなが能動的に動き、解決したという感じです。
ちなみに、最初のリーダーを立てたときは、みんな静まり返り、
黙ってリーダーの指示を待つ。受け身な感じでした。
◆美味しい焼きそば作り◆
お題「最高に美味しい焼きそばを作る手順をA4用紙に自由に記述してください」
「最高に美味しい」、、、なんとも曖昧なんでしょう(笑)。
各自で「最高に美味しい焼きそばの作り方」を考え、チーム内で発表です。
どういった食材を集め、どういうに作る。というのが多かったです。
講師からの回答例としては
- 焼きそばの作り方を考える
- 焼きそばを作る
- 焼きそばを試食する
[美味しかった]→ 手順4へ
[美味しくなかった]→ 手順1へ - 完成
一発で美味しいものを作ろうとしなかったか?
アウトプットをレビューし、レビュー結果をフィードバックしているか?
言われれば確かに...と改めて思いました。
プロダクトでもそうですが、一発で良いもの!と考えれば考えるほど、
時間だけが過ぎ、たいして良いものって出来上がらないものですよね。
3. LEGO®を使ったスクラムシミュレーション
ワークショップでは、LEGO®を使った街作りで、依頼側と開発側を体験できます。
実際にスクラムを体験することで、本を読むだけで気づけない
「あれ?こういう時はどうする?」といった疑問も出てきます。
疑問はその場で聞いたり、付箋紙に列挙し、あとで解消します。
【依頼側】
チーム内で家族の役割を決め、引っ越し先の街にこういうものが欲しいという依頼=ストーリーカードを作成します。
ストーリーカードには、なぜそれが欲しいのか?も役割になりきって記載します。
欲しい理由を記載することで、それの実現が困難になっても代替案を出すことが可能となります。
模造紙にストーリーカードを配置し、開発会社に伝わるように模造紙に「リアル」に描く。
これによって、この街に対しては依頼者となります(チーム内の1名がプロダクトオーナーとなります)
ストーリーカードの優先度も依頼側が設定します。
【開発側】
別の机に移動します。ここには他チームが描いた街=依頼があります。
プランニングポーカーを使ってストーリーカードに対してポイントを付け、
ソフトウェアかんばんにストーリーカードを貼り付け、自分が実施する物に対してサインアップします。
「アサイン」ではなく「サインアップ」
自分達で見積もったものに対して、自分が行うものを、自分でサインする。
割り当てられるよりも、責任感が増しますね!
大まかな流れ
-
スプリントの実施
LEGO®で街作り -
スプリントレビュー
成果物をプロダクトオーナーにデモ、完成かどうかを判断していただきます -
スプリントレトロスペクティブ
スプリントで良かったこと、問題点、改善点を付箋紙に書き出す) -
リファインメント
スプリントレビューで追加になったストーリーを見積もります -
スプリントプランニング
スプリントで実施できそうな予測値を参考に実現可能なストーリーを選択します
スプリントが始まると、中央に集められたLEGO®ブロックの奪い合いが始まります(笑)
ブロックの色や形には限りがあるため結構必死です。
最初これだけあったLEGO®も、
これだけまでに減りました。
【反省】
最初のスプリントでは、みんなが質にこだわり過ぎ、時間内に全く完成しなかったこと。
LEGO®という新技術に慣れてから見積もりを行いましたが、その時よりも凝って作ってしまいました。
作る建物は共有したものの、どこまで作り込むか?まではメンバー内でも共有できていませんでした。
どちらもプロダクトオーナーから完了をいただいたものです。
凝って作られたもの | 時間短縮して作られたもの |
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4. 最後に
本を読んだだけでは「こんな感じでやるのかな?」と不安な部分がどうしてもあるのですが、
ワークショップで一通りを体験でき、分からなかったり、間違ったりしたら、その場で解決・是正される!
実体験に勝るものはありません!
最後にいただいた注意事項として、
『実際には、毎日のデイリースクラムが不可欠になる!
デイリースクラムのないスクラムは「うまくいきません」』
とのこと。
研修終了時にはアンチ認定書をいただきました。
アジャイルをやるのに認定なんていらない。
必要なのは改善マインドだと。
2016年には名古屋市の金城ふ頭に「レゴランド・ジャパン」が開園予定です!
名古屋で「LEGO®ではじめるスクラム入門」が開催されれば、
LEGO®がますます熱くなること間違いなしです!!