エンジニア

育休を1年間取って職場復帰したゲーム開発者(男)の話

投稿日:2021年7月2日 更新日:

はじめに

名古屋スタジオ所属、クライアントエンジニアの大橋と申します。
モバイルゲームアプリの実装をやったり、エンジニアチームのリーダーをたまにやったりしています。

この度、育休を取らせてもらって、本記事執筆の3ヶ月ほど前に復帰しました。
育休の期間は出産時から1年間でした。

復帰後は思ってたよりいろいろ大変だったのですが、
今のところなんとかやれてる(ような気がする)ので、そのことについて書かせてもらいます。

男性も育休を取ろうという世の中の流れもあるようですし、何かの参考になれば幸いです。

育休までの経緯

最初に、育休を取ろうと思ったところから育休に入るまでの間のことに少し触れておきます。

育休を取ることにした理由

そもそもなぜ育休を取ることにしたのかですが、主に以下のような理由からでした。

  • 妻との二人暮らしだけれど里帰り出産はしない
  • 仕事と育児を両立する自信がない
  • 人生の中で育児に集中する期間があってもいい気がした

1つ目に関しては、自分が育休を取るから里帰り出産の必要がなくなったとも言えます。
期間を1年間にしたのは、国の制度的に最大1年間だったので、どうせならガッツリ取ろうと思って1年間にしました。

会社の人の反応

自分の中では、もう育休を取ろうと決めてしまったので、
会社に対しては「育休を取ってもいいですか」ではなく、「育休を取ろうと思います」というニュアンスで最初に相談した記憶があります。

当時は、担当ゲームのエンジニアチームのリーダーという役割でしたが、育休を取ることについて否定的なことを言われることもなく、育休を了承してもらいました。
そのことはとてもありがたく思っています。

そして育休へ

エンジニアチームのリーダーだったということもあり、次のリーダーを決めることも含めて業務の引き継ぎ期間を2,3ヶ月ほど取りました。
スクラムマスター的立場だった方には、関係各所の調整や引き継ぎのサポートをしていただいてとても助かりました。

引き継ぎにはDelegation Boardを活用したりしました。
Delegation Boardについてはこちらの記事に詳しく書かれているので、興味のある方はぜひ!
Delegation Boardを使って引き継ぎの進捗をみる

育休中の生活

育休前の想像では、仕事の時間がなくなっても育児と家事で大変なこともあるだろうなー、
くらいでしたが実際には常に全部大変でした…。
そして妻からよく怒られるようになりました…。

すべては子供が決める

大変さの根本は、自分が今なにをしなければいけないかが、全て子供によって決まることのような気がしています。
授乳、食事、睡眠、オムツ替えなどのタイミングはすべて子供次第ですし、それによって買い物や家事のタイミングも自ずと限定されてしまいます。
ちょっと疲れたからミルク少し後にしてとか、今日一日休みにさせてとかを子供に言えないのがなかなか辛いところです。

ゲーム事情

ゲーム開発者ですし(というのを言い訳にして)育児中でもゲームがしたいわけです。
ですが、基本的に子供が起きている間はなかなかできません。
可能か不可能かで言えば、子供が起きてようがゲームはできますが、あんまりプレイに集中できません。
それ以前に妻から怒られます。
なので子供が寝ている隙にこっそり(?)することになります。

寝ている間といっても、特に生まれて間もないころはいつ起きるかわからないので、マルチプレイのゲームは手を出しづらかったです。
マルチプレイ中に子供が起きて途中で抜けるのが他のプレイヤーに申し訳なくて…。
ある程度子供が成長して、安定して夜寢られるようになってくると、マルチプレイのゲームも手を出しやすくなりました。

また、家事などの合間に一瞬だけ操作して後は放置で進むようなモバイルゲームは、子供が起きていてもプレイできるので手を出しやすかったです。
ただ、特定の時刻にイベントがあるようなものは、その時にプレイできるかどうかが完全に子供次第なので、あまり手を出せませんでした。

育休からの復帰

1年間育児に集中させてもらったあと、予定通り仕事に復帰しました。
妻も同様に復帰したので、子供は保育園に預けて共働きの状況になりました。

復帰に関しては、特に問題もなくスムーズでした。
コロナ禍真っ只中の復帰だったため、オフィスワークからリモートワークになっていたという変化がありましたが、以前からSlackやzoomを使っていたこともあって、特に戸惑いはありませんでした。

業務内容的にも育休前と同じように開発に従事させてもらっています。
復帰後まもなく、配属先のチームリーダーが育休に入って、その間のリーダーをすることになったのはびっくりしましたが……。

復帰後に大変だったこと

業務内容自体は特に問題なく大丈夫だったのですが、時間の自由が効かないことは大変でした。
それは、仕事の内容的に時間の自由がないということではなく、育児的な理由で自由がきかないということです。

以前は、朝早くに出社したいときにはそうできたし、残業が必要なときは(規定の範囲内で)残業ができました。
けれども復帰後はそういうことが難しくなりました。

もともと想定していたことではあるのですが、
朝などは、子供の着替えをして、朝ごはんを食べさせて、保育園の準備をして、保育園に送って行って、からの勤務開始になります。
夜は、毎日決まった時刻に保育園へ迎えにいき、その後は夕飯を食べさせたりお風呂に入れたりで、その日の仕事が終わってようが終わってなかろうが仕事を切り上げなければいけないのがなかなか辛いところです。

子供が体調を崩すともっと大変だった

なかなか時間の自由が効かないとはいえ、子供が健康で普通に保育園に行けているときは、毎日8時間の勤務時間を確保できています。
けれども子供が体調を崩すと、突発的に仕事を休んだり、早めに退勤する必要があったりで、勤務時間を十分に確保できない日が出てきます。

とはいえ、子供が体調を崩して仕事を休んだりすることもあるだろうな、とは復帰前から思っていました。
ただ想定外だったのは、かなりの頻度で子供が体調を崩すことです。

うちの子の場合は、保育園に通いだしてから、保育園を休んでる日の方が多いのではないかというくらい(実際たぶん多い)体調を崩すようになってしまいました。
朝は調子がよくて登園しても、お昼過ぎくらいに体温が高くなって、お迎え要請の電話がかかってくることも多いので、なかなか安心できません。

保育園に通い出すと風邪をひきまくる、みたいな話を聞いたりしていましたが、
これほど保育園を休むことになるとは思っていませんでした。
自分が至らないために子供が体調を崩しているのであれば申し訳ないと思いつつ、仕事面では大変です。

大変だけどなんとかなってる理由

とにかく毎日大変ですが、なんとかやっています。
なんとかやれている理由を少し考えてみました。

勤務形態がフレックスでコアタイムが11時〜17時

仕事復帰後も時短勤務ではなくフルタイムで勤務させてもらっているのですが、たぶんフレックスじゃなければ難しかったかもしれません。
コアタイムが11時からなので、たとえ平日に子供の通院があっても、朝に通院してから普通に出勤できます。

また、体調を崩して保育園を休まなければいけないときは、病気中でも預けられる病児保育室に預けたりするのですが、
病児保育室だと延長保育がなかったりで普段の保育園よりお迎え時刻が早くなります。
その場合でも、コアタイムが17時までなので、コアタイム後、迎えに行くことができています。

また、1日の勤務時間が8時間未満になる日があっても、ひと月の合計勤務時間が規定に達していればいいので、調整できる幅は広いです。

リモートワーク

コロナ禍(執筆時)ということもあり全社的にリモートワークに切り替わっています。
週に1日はオフィス出社日がありますが、リモートワークのときは通勤時間がまるごとなくなるので、単純にその時間は他のことに充てられて助かっています。

勤務の前後で保育園の送迎をしようとした場合、通勤があると時間に少し余裕を持たせないといけないですが、
リモートワークだと、保育園に送って行った後すぐに勤務開始できたりするのが嬉しいところです。
また、昼間に保育園からお迎え要請の電話がかかってきても、すぐに迎えに行けます。

ただ、リモートワークだからといって、子供を自宅で見ながら仕事はできない(どちらにとってもそんな余裕はない)と思いました。
ですが、自治体によってはリモートワークだと保育園に入園しづらくなるので要注意です。

半休が取れる

たとえコアタイム内の勤務ができなくても、午前休や午後休を取れるので、
例えば子供の通院の都合でコアタイムの11時までに出勤できない場合でも、午前休を取ることで遅刻や全休を避けられてます。

半休の制度がない場合、終日仕事をするか休むかしかなくなるので、意外とありがたい制度です。

家庭の都合に寛容

育児に限ったことではないですが、チーム全体的に家庭の事情による休暇や早めの退勤に寛容な雰囲気な気がします。
そのため、休暇や早めの退勤の心理的ハードルがあまり高くないように感じます。

また、遅い時間の会議はできるだけ避けるようにチームメンバーの多くの方がしているのは助かりますし、会議時間の設定に気を使ってくれるのは、申し訳なさはありつつ嬉しいことです。

チームメンバーが自走している

自分が復帰してまもなくチームリーダーも育休を取ることになり、1ヶ月間だけ自分がリーダーをしていました。
その間も子供の都合などで仕事を休むことがありましたが、チームメンバーの皆さんは基本的に自身で仕事を進めてもらえているので、リーダーが休みでも特にメンバーの仕事が止まらない状態なのはよかったです。

「自走できる」というのは弊社において目指すべきことの1つですが、こういう形で自分が助けられるとは思っていませんでした。

リーダー業務を補え合える

これは結果的にそうなったことですが、
(本来の)チームリーダーの育休中に自分がリーダーをしていたこともあり、本来のリーダーと自分とで必要ならリーダー業務を補え合える状況になったのはよかったです。

まとめ

1年間という比較的長めの育休を取らせてもらって仕事復帰したわけですが、育休中はもちろん復帰後も思ったより大変でした。
そしてこの記事執筆時の今も大変です。

ですが、たまたまコロナ禍を契機にリモートワーク化されていたり、元々の勤怠ルールやチームの皆さんのおかげだったりで、なんとかやれてます。
そのれらのことに感謝しつつ、自分の子供と世界中に「楽しいね」を届けられるような仕事ができたらいいなと思う次第です。

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