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Delegation Boardを使って引き継ぎの進捗をみる

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こんにちは、はじめまして!渋谷スタジオのコスッキーです。

私は2019年の12月にワンダープラネットに転職して来ました。
そして、転職して来たという事は、先輩から業務の引き継ぎがあります。
ということで、今回の記事のテーマは引き継ぎについてです。
私が引き継ぎに際して工夫してみたやり方や、実際にやってみた感想の紹介になります。

引き継ぎの際にぶつかる難点

ここで皆さんに考えてほしいのですが、引き継ぎって何をすればいいのか?どこまでやったのか?分かりづらくないでしょうか。
また、タスクを引き継ぐ側と引き継がれる側で認識の違いも出てきますよね。
例えば、「口頭で教えたから引き継ぎとしては十分だな」とか「自分がやっていたことはドキュメントに残したから引き継ぎは大丈夫だろう」とか思っていても、
タスクを引き継いでいく側では「口頭で教えてもらったけど、実際に自分でできるようになるまでは引き継ぎとしては不十分だ」と思っているかもしれません。

何も準備をせずに引き継ぎをしようとすると、以下のような問題にぶつかると思います。

  • 何を教えればいいのか?どこまで教えたのか?進捗がわからない
  • 教えるべきタスク・できるようになって欲しいことが抜けているかもしれない
  • タスクを引き継ぐ人と引き継がれる人とで、認識がずれる可能性があり、お互いにすれ違ったまま引き継ぎ期間が終わるかもしれない

今回は、上記にあげたような問題を解決できないかと、Delegation Boardを使って引き継ぎの可視化を行ってみました。

Delegation Boardを引き継ぎの進捗の可視化する

今回Delegation Boardを先輩からのタスクの引き継ぎの可視化のために使いました。
先輩や自分自身も編集できるようにしたほうが便利なので、GoogleSpreadSheet上で作りました。
実際に使ったものとしては上の画像のようになります(実際はもっとタスクがあります)。

以降ではタスクを引き継がれる側を先輩、タスクを引き継ぐ側を後輩として書いていきます。

左端に引き継がれるタスクの一覧や、できるようになってほしい事をリストで書きます。
タスク一覧は、最初に作った時には抜けているものや必要のないものもあるかもしれません。
一緒に引き継ぎ期間を過ごしていくうちに思い出したものや出てきたものを、追加したり削除したりしていくので良いと思います。
今回やった時も、後から発覚したタスクを追加するケースもありました。

次に、それぞれのタスクについて以下の7段階でチェックをいれてお互いに認識のすり合わせを行います。

  • 1:命令する : 先輩が意思決定を行う
  • 2:説得する : 先輩の意思決定について後輩を納得させる
  • 3:相談する : 先輩が意思決定する前に後輩と相談する
  • 4:同意する : 一緒に決定をくだす
  • 5:助言する : 後輩の意思決定に先輩が影響を及ぼす
  • 6:尋ねる : 後輩の意思決定後のフィードバックを先輩が求める
  • 7:委任する : 特に影響を及ぼさず後輩に任せる

1(命令する)だとまだ引き継がれていない状態で、7(委任する)だと引き継ぎが完了している状態です。
お互いの認識が7(委任する)の状態に近づくようにしていきます。
各タスクについて、口頭で教えたりペア作業をしたりなどのタイミングでチェックを更新しました。
更新するときもお互いに声をかけて、更新したことを共有し、その状態で良いのかお互いに認識合わせを行いました。

使ってみてよかった事

まず最初に記事の最初の方であげた問題点についてどうだったか見ていきます。
これは引き継ぎに携わった、先輩と私の感想です。

引き継ぎに関して、何を教えればいいのか?どこまで教えたのか?進捗がわからない

何を教えればいいのか?という項目を最初に洗い出しますし、途中で調整もできるので引き継ぎのタスクも可視化できます。
どこまで教えたか?についてもそれぞれのタスクについて状態のチェックして可視化できているので、進捗もわかりやすいです。
また、タスクや進捗が一覧で見れるようになっているので「〇〇の委譲はまだやることあるな」と引き継ぎの計画も立てやすくなりました。

教えるべきタスク・できるようになって欲しいことが抜けているかもしれない

抜けていても思い出した時点で追加も可能なので、引き継ぎ期間中に思い出せなかった事以外は網羅できます。
タスク一覧が見れるので、教える側からしたら自分の普段やっている事と比較して抜けのチェックもできるはずです。

タスクを引き継ぐ人と引き継がれる人とで、認識がずれる可能性があり、お互いに気づかないままスレ違っている可能性がある

状態の変更をする時はお互いに共有して同意をとりながら行っていたので、「もう委任したつもりだけど、実はそうなっていなかった」みたいな行き違いが生まれなかったとお互いに考えています。

使ってみて良くなかったこと

実際に使ってみて良くないと感じた事もありました。
「1〜7の状態がはっきりと分けれない」というのが使っている中で不便に思ったことです。
例えば、「3(相談), 4(同意),5(助言)ってほぼ同時にやっているけど、今どの状態にすればいいのか?」となる自体がけっこうありました。
また、実際3(相談)の状態から、一気に6(尋ねる)の状態まで更新したこともあったので、順番に段階を更新しなくてもいいのかなとは思いました。
「1.命令する」「2.相談する」「3.委任する」みたい3段階でも運用できそうだと感じました。

まとめ

今回は引き継ぎの内容や状態の可視化をDelegation Boardを使って試してみました。
先輩も私も、使ってみた感想としては便利で使ってみてよかったと考えています。
また、当人同士が進捗を確認できるだけでなく、他の人に進捗を説明する際にも一つ一つ説明しなくても、Delegation Boardを見せるだけで伝える事もできたのも便利だと思いました。

今回はタスクの引き継ぎに使ってみましたが、新人教育やオンジョブトレーニングにも使えそうだなと思いました。
新人が目指す人物像・なって欲しい人物像のために、チームとしてできてほしいタスクや意識してほしい事を書き出すことで取り組みべき項目が見えるので取り組みやすくなると思います。
また、命令されないと動けない状態(1.命令)から、新人が自発的に意識・行動する状態(7.委任)まで、現在どこなのかを見れるので、次のアクションも相談しやすいし、評価者への説明もしやすくなると思います。

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